京都環境保全公社について健康経営の取組み
健康経営の取組み
健康経営宣言
当社は、『守り・創ろう 美しい街』をテーマに、「産業廃棄物処理トータルシステム」を用いて、すべてのステークホルダーに「安心・安全・信頼」を提供し、循環型社会推進に貢献しています。経営の理念として掲げている「人を基軸」とした経営を基盤としながら、受け入れた産業廃棄物を適正かつ安全に処理し、産業の発展と地球環境保全に貢献し続けるためには、各従業員が高いモチベーションを持ち、個々のスキルを伸ばし十分に発揮することが重要と考えます。
そのためには社員一人一人の心と身体の健康が何より大切であるという考え方のもと、全社員がいきいきと長く働くことができる職場環境づくりに取り組んでいきます。

2019年10月1日
株式会社 京都環境保全公社
代表取締役社長 鍋谷 剛
健康経営の取組みについて
当社は産業廃棄物の収集運搬/選別・破砕/焼却/埋立で適正に処理を行う過程で、 リサイクル事業や3R活動にも力を入れ、
循環型社会推進に寄与しています。
廃棄物処理業界でもさまざまな社会的課題が発生し、それを解決するには、新たな産業廃棄物処理システムの構築に取り組んでいます。
そのためには、経営理念の「人を基軸」とした経営のもと、当社で働く人財が活力に満ち溢れ、難解な課題を解決できる環境が必要となります。
これを実現するためには、社員ひとり一人が健康でいきいきと働ける職場環境が最も重要な要素であると捉え、2018年より
健康への取組みを実施してきました。
今後も当社では、当社の事業により健康で明るい社会を創れるよう、働く人々をサポートして参ります。
基本コンセプト
「長く働き続けられる会社へ」
健康経営全体の具体的な数値目標の設定に至った背景・根拠
京都環境保全公社は産業廃棄物の適正処理に向けて、コンサルティング・分析、収集運搬、選別・破砕、リサイクル、焼却、管理型埋立のトータルシステムを確立しており、常に高い技術と知識を追及し、脱炭素社会および循環型社会の実現に寄与しています。
各セクション毎に深い専門性が必要とされ、一人一人の役割が重要となる当社において、「人が価値創出の最大のエンジン=資本である」との基本認識のもと社員が安心して働き、心身ともに健康で高いモチベーションを持ち、パフォーマンスを最大発揮できる経営を実現させるため、下記数値目標を定め健康経営宣言の具現化に向け取り組んでいます。
2019年 | 2020年 | 2021年 | 2025年までの目標 | |
---|---|---|---|---|
イノベーション創出人材/高エンゲージメント者割合 | ― | 12.4% | 12.6% | 20% |
働きやすい職場/時間外労働時間月平均 | 13時間 | 12.5時間 | 12.8時間 | 12時間 |
ワークライフバランス/有給取得日数平均 | 15日 | 14.2日 | 13.5日 | 15日 |
個人の健康・重症化予防/特定保健指導受診率 | 54% | 64% | 92% | 100% |
健康増進組織体制
全社における従業員の健康維持・増進にむけて、最高責任者に代表取締役を選任のうえ、
総務・人事課に属する「健康経営推進グループ」が中心となり、健康増進に向けた施策を行って参ります。
健康課題については、経営会議でも議論を重ね、従業員の健康保持に積極的に寄与しております。
また、その施策の推進には当社の安全衛生委員会、保険者である全国健康保険協会の京都支部の担当者、
産業医および健康診断を依頼している京都工場保健会とも連携しております。

健康経営戦略マップ
健康経営によって解決したい健康課題、期待する効果、具体的な取り組みを一連のつながりとして可視化し、
健康経営宣言に従った職場環境づくりに活かします。
制度の整備
当社では健康関連の制度整備を行っています。
・出産/育児/家族の介護に関する休業制度、両立支援措置
・健康管理規程 (補助金も含む)
・傷病休職に関する規程
・社員互助会(環交会)制度
SDGsへの取り組み
当社では「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)にも積極的に取り組んでいます。
健康経営関連としては、
・「3.すべての人に健康と福祉を」
・「5.ジェンダー平等を実現しよう」
・「8.働きがいも経済成長も」
のゴールを挙げています。
具体的な取り組みとしては、
ゴール3:あらゆる年齢の全ての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する
分類 | 既存の制度、枠組での取組等 |
---|---|
従業員の健康 | 従業員の1ヶ月の残業時間が法律を上回る社内基準として時間外労働時間の上限を30時間以内と決定し、残業時間の削減に 取り組んでいる |
有給休暇取得に向け「年休取得の奨励日の設定」を行い、有給休暇を取得しやすい環境づくりに取り組んでいる | |
労働災害を防止するため、安全衛生委員会と連携し、作業環境の整備・改善を行っている | |
従業員に対し、法令で定められている健康診断を受診させ、人間ドック及び再検査においても補助金制度を設け受診奨励している | |
時間外労働時間の削減と有給休暇の奨励を行い、ワークライフバランスの推進を行っている | |
喫煙対策、共有スペースの充実を図っています |
ゴール5:ジェンダー平等を達成し、全ての女性及び女児の能力強化を行う
分類 | 既存の制度、枠組での取組等 |
---|---|
人権侵害防止 | 職場環境改善の一環として、ハラスメント対策及びハラスメント相談窓口の機能充実を図っている |
環境整備 | 出産/育児/家族の介護に関する休業制度、両立支援措置で労働環境を整備している また、男性社員育児休業取得を奨励している |
ゴール8:包括的かつ持続可能な経済成長及び全ての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい(ディーセントワーク)を推進する
分類 | 既存の制度、枠組での取組等 |
---|---|
雇用条件 | 正社員及び特別雇用者就労規則などの行動規範を定めて、常に参照可能な状態にしている |
対象となる全ての従業員の各種保険完備(労働保険及び社会保険、雇用保険)に加入している | |
京都基盤の企業として、地元の雇用促進を行っている | |
離職率3%以下、70歳まで働き続けられる制度の構築をしている | |
従業員の健康 | |
有給休暇取得向上に向け「年休取得の奨励日の設定」を行い、有給休暇を取得しやすい環境づくりに取り組んでいる | |
労働災害を防止するため、安全衛生委員会と協力し、作業環境の整備・改善を行っている | |
従業員の健康で働きやすい環境を保全するため、加湿器等の設置や講習会を通じて健康意識の向上を図っている | |
健康講座を2回/年に実施し、従業員の能力向上するための投資を行っている |
健康経営の個別施策に対する投資
健康診断を活用しヘルスリテラシー向上と早期発見・重症化予防
京都環境保全公社では年に1回の定期健康診断を自分自身の身体と向き合う重要な機会と位置づけ、通常の健康診断から人間ドックへ切り替えた社員へ健診休暇付与と受診費用補助を実施しています。40歳・50歳の節目の年齢には人間ドック受診費用は全額会社負担、41歳~49歳は8割会社負担、51歳~59歳は9割会社負担とするなど健康補助金の活用を推進しています。その他にも歯科健診・がん検査・精密検査等の受診費用補助制度があり、導入してから年々利用者が増えており社員のヘルスリテラシーの高まりとともに施策の浸透が進んでいます。
利用者数 | 投資額 | |
---|---|---|
定期健康診断人間ドックへ切り替え補助 | 27名 | 1,101 |
※利用者数はヘルスリテラシーの高さを開示する指標として使用しています
取組み事例
① ターゲットイメージ:「安心・安全・信頼」 ( ⇒ 廃棄物トータルシステム)
企業としての産業廃棄物業務活動に加えて、従業員の「安心・安全・信頼」に繋がる活動や安全備品の提供を行っている
◆ 環境/労働安全衛生への配慮出産/育児/家族の介護に関する休業制度、両立支援措置
1999年ISO14001(環境ISO)の認証取得、及びISO45001(労働安全衛生マネジメントシステム)認証取得に向けての活動を開始
◆ 安全衛生委員会との連携
◆ 近隣住民とのコミュニケーション
◆ 廃棄物処理を行う上での一貫したトータルシステムの構築
◆ 従業員への安心・安全への配慮
安全衛生管理委員会による作業環境の整備
防塵マスク、安全靴、ヘルメット着用の徹底
1回/年の消防訓練
② ターゲットイメージ : 「高いモチベーション ⇒ コミュニケーション」
労働災害防止やハラスメント防止、メンタルヘルス対策の基本となる、上司や従業員の潤滑油であるコミュニケーションが出来る職場環境の構築
◆ 親睦会(環交会)としての社内レクリエーションや部門間交流会への支援
◆ 上司と部下との定期的なフィードバック面談の実施
③ ターゲットイメージ : 「個々のスキルを伸ばし ⇒ 教育」
社員への基礎・階層教育を基本とし、それに加えて健康講座も実施
◆ 基本となる従業員及び管理職のスキル別教育
◆ 健康関連の教育の実施(2回/年)
④ ターゲットイメージ : 「心身ともに ⇒ 健康診断等の充実、メンタルヘルス」
会社からの従業員に対する基本的な心身にともなうサポート(健康診断やストレスチェック)やそれを支援する産業医の面談等を実施
◆ 健康診断の充実(法定的な受診項目に加えての受診)、二次健康診断・精密検査の実施率
◆ 特殊健康診断の実施
◆ ストレスチェックの実施
◆ 産業医による面談の実施(健康診断結果やメンタルヘルス面談等)
◆ 受動喫煙対策及び禁煙治療費補助
◆「働き方改革」の推進(残業抑制・有給休暇取得率の向上)
◆インフルエンザ予防接種の補助金制度及びコロナワクチン接種日の特別休暇付与
各種指標
項目 | 取組み内容 | 実績 | 目標値 | 実施規模 |
---|---|---|---|---|
健診関連 | 特殊健康診断 受診率 | 100% | 100% | 特定従業員/年 |
定期健康診断 受診率 | 100% | 100% | 全社/年 | |
精密検査受診率 | 42% | 70%(2025年まで) | ||
特定保健指導受診率 | 92% | 100%(2025年まで) | ||
治療継続率(高血圧症) | 100% | 80%(2025年まで) | ||
適正体重者率 | 57% | 60%(2025年まで) | ||
健康増進 | インフルエンザ予防接種の補助 | 1回/年 | 1回/年 | 保険証交付者/年 |
生活習慣 | 受動喫煙対策 | 随時 | 随時 | 全社/随時 |
メンタルヘルス | ストレスチェック 提出率 | 98% | 100% | 全社/年 |
プレゼンティーズム損失割合 | 36.4% | 30% | ||
ワークエンゲージメント | 49.4(偏差値) | 継続検討中 | ||
高ストレス者率 | 15.00% | 継続検討中 | ||
重点指標 | 休職率 | 0.59% | 0% | |
離職率 | 2.30% | 0% | ||
アブセンティーズム ※全従業員平均 |
3.2日 | 継続検討中 | ||
エンゲージメント | 47.5(偏差値) | 継続検討中 | ||
働き方改革 | 残業の抑制 月平均時間外労働時間 |
12.8時間 | 10時間(2025年まで) | 全社/随時 |
有給休暇取得率の向上 平均有給休暇取得日数 |
13.5日 | 15日以上(2025年まで) | ||
改善提案提出件数 | 254件 | 300件(2025年まで) | 全社/年 | |
コミュニケーション | コミュニケーション機会の提供 | 3回/年 | 3回/年 | 全社/随時 |
体制 | 安全衛生委員会との連携 | 12回/年 | 12回/年 | 毎月 |
産業医との連携 | 12回/年 | 12回/年+都度 | 毎月 |
<健康投資施策の取組状況に関する従業員の満足度>
- ●健康講座
- 社員の健康意識向上・行動変容を促すため外部講師を招き健康講座を実施しています。研修後は参加者へのアンケートにて効果検証を行い、満足度・理解度を踏まえ、行動変容の指標となる「今後に活かすことができるか」の項目を重要視し推進しています。
テーマ | 内容 | 参加率 | 満足度 | 理解度 | 今後に活かせるか | |
---|---|---|---|---|---|---|
2018年度 | 身体の健康 | タバコを知ろう | 53.7% | 89.3% | 95.4% | 90.8% |
2019年度 | 感染症予防 | インフルエンザ予防 | 53.2% | 92.0% | 100.0% | 97.0% |
2020年度 | ストレスチェックの活用 | ストレスチェックを活用したセルフケア | 92.2% | 54.0% | 65.0% | 63.0% |
2021年度 | 心の健康 | マッチョなメンタルの作り方 | 88.5% | 56.9% | 37.3% | 57.8% |
2022年度 | 身体の健康 | 熱中症予防 | 100.0% | 99.0% | 99.0% | 99.0% |
広報
外部からの評価
「健康経営優良法人 2023「ホワイト500」」に認定
「健康経営優良法人認定制度」とは、地域の健康課題に即した取組や日本健康会議が進める健康増進の
取組みをもとに、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度です。
健康経営に取り組む優良な法人を「見える化」することで、従業員や求職者、関係企業や金融機関などから
「従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる法人」
として社会的に評価を受けることができる環境を整備することを目標としています。

この制度に対し当社は「健康経営」の取り組みを2018年より開始し、ストレスチェックの受検促進、
健康診断受診率向上、禁煙外来受診や歯科検診受診、再検査受診、人間ドック受診への補助
特定保健指導の促進等の活動を行い、従業員の更なる健康管理や意識の向上を図りました。
これらの活動を、経済産業省に報告し評価頂いた結果、大規模法人として2020年から 4期連続で
健康経営優良法人2023 「ホワイト500」 に認定されました。

【発行者】京都府知事
ワークライフ・バランス認定企業
ワークライフバランスの認証(京都府による)
「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」では、仕事と生活の調和が実現した社会は、
国民一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、
家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が
選択・実現できる社会」とされています。
京都府では、ワーク・ライフ・バランスに取り組む中小企業を応援するため、
「京都モデル」ワーク・ライフ・バランス推進企業認証制度を設けています。
当社は2019年2月にこの「ワーク・ライフ・バランス認証企業」として認定されました。
具体的施策として、
1. 仕事と出産・子育てを両立できる取組み
・配偶者出産休暇制度
2. 健康で豊かな職場以外も含めた充実した時間が確保できる環境
・所定外労働時間削減や年次有給休暇の計画取得支援
3. 多様な働き方が選択できる支援
・職務内容/スキルに応じた資格取得費用や外部研修受講の機会付与
今後もワークライフバランス実現のための取組を推進していきます。
メンタルヘルスへの取り組み
1年に1回全ての事業所に対しストレスチェックを実施しています。
2021年度より分析データをより効果的に活用し組織の活性化へ繋げることができるよう経営層へのフィードバックを開始しました。その他にもメンタルリスクが高い新入社員へは入社後フォローとして、産業医面談を実施しています。
喫煙率の低下に向けて
- ●喫煙率の低下に向けて
-
喫煙や受動喫煙による健康被害を減らすため喫煙者の禁煙を推進する取り組みを行っています。
多角的な取組みを実施し2016年度47.5%であった喫煙率は2022年度33.6%まで低下してきています。
2025年度までに「喫煙率20%以下」を目指し、さらに禁煙施策を強化していきます。- 喫煙者へのアプローチ
- 特定保健指導の際、保健師より生活習慣病における喫煙の影響についての個別指導や、禁煙外来を活用し禁煙に成功した社員には治療費を補助し禁煙をサポートしています。2022年からは禁煙チャレンジへのハードルを低くするため、禁煙補助剤の購入費用の補助を開始し、より多くの社員へ禁煙にチェレンジする意識をもってもらえるよう取り組んでいます。
- 社内全体の取組
- 2018年度より喫煙場所の整備を進め、2023年度より敷地内完全禁煙を実施の予定です。就業時間内の喫煙時間についても2020年度より禁煙時間を段階的に設定し、2021年度年より就業時間内完全禁煙としています。
また、社内ポイント制度を活用し非喫煙者、喫煙者ともに「1か月禁煙を達成した」「公社禁煙デー(22日)に参加した」社員へのインセンティブを付与し毎月毎に禁煙への意識づけを行っています。